全身性強皮症は今のところ根治する病気ではありません。すなわち、一生付き合っていかなければなりません。ただ、幸い一般的な方々と同じく自力で生活することはできます。今回は、強皮症の症状に対して日頃気を付けていることを紹介したいと思います。
代表的な症状
全身性強皮症には以下のような代表的な症状があります。
- 皮膚の硬化
皮膚が硬く、伸縮性が失われることがあります。手や顔などの皮膚が引き締まり、指の動きが制約されることがあります。 - レイノー現象
指や足の指先が冷たくなり、紫色や白色に変わる現象です。 - 内臓の線状硬化
消化器官、肺、心臓などの内臓に線状硬化が進行することがあり、臓器の正常な機能に悪影響を及ぼすことがあります。
気を付けていること
皮膚に対して気を付けていること
皮膚が硬く乾燥していますので保湿は必須です。1年中ハンドクリームを持ち歩いて、手を洗ったらすぐに塗り直すくらいに気を遣ったほうがいいと思います。冬は空気も乾燥しますので特に気を遣ってください。
こまめに塗り直して乾燥しない状態を維持することが重要ですのでクリームの種類はいとわないですが、私は使用しているハンドクリームはユースキンです。いろいろな成分のハンドクリームを試してみましたが、皮膚がぱっくり開いてしまったのを治してくれるのはユースキンが一番効果的でした。
普段は好きな香りのハンドクリームを使って、皮膚がぱっくり開いてしまった場合は部分的にユースキンを使ってもいいと思います。
ノーマルタイプとゆずの香りを使用しています。ゆずの香りは本当に落ち着きます。
手や顔以外の皮膚の保湿には、ニベアのプレミアムボディミルク(モイスチャー)を愛用しています。もう10年くらいは使用していると思います。以前は、吉瀬美智子さんがCMに出演されていて、吉瀬さん好きなのでよく覚えています。覚えている方いらっしゃいますでしょうか?容器から出してすぐはとろっとした質感ですが、肌にすり込んでいくと質感がさらっとした感じに変わって、お風呂上りでもべたつかないところがいいです。また、香りもほんのーり香るくらいで嫌な香りではありません。
ただ、秋冬の夜だけはより保湿力の高いボディショップのボディバターを使用しています。こちらも10年以上愛用していると思います。保湿力がかなり高く、こちらを肌に塗ると真冬でも1日中粉をふくことはありません。ただ、春夏に塗ると汗をかいたときに肌の上でどろっとした感じになって気持ち悪いので、特に乾燥する秋冬だけにしています。今はアルガンの香りを使用していますが、以前は冬季限定でバニラの香りが出ていたのでそちらを使用していました。また復活してくれることをひそかに願っています。
朝 | 夜 | |
春夏 | ![]() ニベア プレミアムボディミルク モイスチャー | ![]() ニベア プレミアムボディミルク モイスチャー |
秋冬 | ![]() ニベア プレミアムボディミルク モイスチャー | ![]() ボディショップ ボディバター アルガン |
レイノー現象に対して気を付けていること
レイノー現象は強皮症にとって最も代表的な症状と言えると思います。ただ、他の膠原病でも、膠原病ではない他の疾患でも見られる症状ですので、レイノー現象があるから強皮症だというわけではありません。
寒冷刺激やストレスなどをきっかけにして、末梢の血流が悪くなって皮膚の色が白色や紫色になり、痛みやしびれを感じます。一過性のことが多く、そのあと血流が回復してくると逆に皮膚の色が赤くなります。


レイノー症候群 - 04.心血管疾患 – MSDマニュアル プロフェッショナル より
以前はレイノー現象が出現しても暖めたりすれば通常の肌の色に戻りましたが、昨年は紫色になったまま肌の色が戻らずそのまま潰瘍がなってしまいました。レイノー現象が出てしまうと元に戻らない場合もありますので、出ないように予防することが重要です。
まずは内側から。必ず禁煙してください。喫煙は血流を悪くしてしまいますので強皮症にとっては大敵です。医師からも必ず禁煙するように言われます。
また、身体を温める物(しょうがなど)を食べたり、お風呂の際は湯舟に浸かって身体の芯から温めたりすることも効果的です。私は毎日湯舟に浸かるようにしています。寒い日には入浴剤も使用しています。
次に外からの寒さを予防しましょう。手や足は血管が細いのでレイノー現象が出やすい部位です。厚手の手袋や靴下を着用するようにしましょう。それでも寒かったり、手足が冷たくなってしまう場合はカイロや湯たんぽを利用するといいです。
私の使用している手袋を紹介しますね。昨年手に入れたのがSnow peakの手袋です。皆さんも手の保温には苦労されているかと存じますが、私も同じでした。保温とおしゃれを両立するような手袋ってなかなか見つからないんですよね・・・。昨年は指先に潰瘍ができてしまったこともあり、防寒重視で手袋を探していました。アウトドア料品店を中心に見て回っていったところ、Snow peakのショップで右の手袋を発見しました。ダウンジャケットと同じようなつくりで温かく、ミトンタイプで締め付けがないので指先に潰瘍があってもつけられて、街でつけていても目立たないデザインなので、これだ!!!と思いました。ニットとは違い撥水加工してある生地なので、雨の日でも風が強い日でも何の問題ありません。親指以外の指先は出せるようになっていますので、スマホの操作もできます。
いいお値段はしますが、昨年どこに行くにも使っていましたがへたっていないので数年単位で使用できそうです。いい買い物だったなと思っています。
足先も冷えますよね。私の場合、足指にはレイノー現象や潰瘍ができたことはありませんが、冷えすぎて感覚がなくなることはしょっちゅうあります。今の時期、家の中にいても冷え切ってしまいます。感覚がなくなってしまうと歩くこともできないですし、今後レイノー現象が出現したり潰瘍ができないとは言い切れないので、冷えないように予防しています。
そこで、オカモトさんの「まるでこたつソックス」です!こちらもSnow peakの手袋と同じく昨年知りました。一時期話題になり品薄になっていたかと思います。今年も人気みたいですね。
こどもの頃、スキーに行くときに履かされた靴下のように分厚い素材です。足首のツボを特殊素材で温熱刺激することで、身体の内側からポカポカになるそうです。確かに、履いた瞬間から温かく、感覚がなくなるまで冷えることがなくなりました。ひざ下まで伸ばせるところもいいです。ただ、使用していくと毛玉が出てくるのでお手入れは必要ですね。昨年は品薄で1足しか買えなかったので、今年も早速もう1足買い足しました!こちらの靴下もかなりおススメです。
内臓の線維化に対して気を付けていること
強皮症では皮膚だけではなく内臓の線維化も起こります。わかりやすく言うと、内臓が硬くなって動きが悪くなるイメージです。特に生活に影響があるのは心臓や肺の機能低下ですので、かかりつけ医がエコーやCTなどの検査で経過観察をしてくれていると思います。私たちができる予防と言ったら、肺に負担をかけないように禁煙するということくらいでしょうか。あとは西洋医学の力を借りる(薬物治療など)ことになると思います。
すでに起こってしまっている内臓機能低下に関しては、これ以上悪くならないようにとか日常生活に支障がないように工夫できます。私の場合は、逆流性食道炎を発症していますので、その症状との向き合い方をご紹介します。
逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎とは、胃の内容物(主に胃酸)が食道に逆流することにより、食道に炎症を起こす病気です。健康な人でも胃酸の逆流がみられることはありますが、時間が短いため問題になることはありません。逆流の時間が長くなると、食道の粘膜は胃酸に対し弱いため食道に炎症を起こすようになります。
(逆流性食道炎ってどんな病気? ー国立長寿医療研究センター より)
胃酸が逆流してきたり、ひどい時だと食べたものが出てきてしまいます。
具合が悪かったり、お酒を飲みすぎたりしたときも戻してしまうことがあると思いますが、その時は口から出るのを我慢することができると思います。しかし、その時とは違って口から出ないように我慢しても抑えられなくて、鼻から出てきてしまうのです(逆流性食道炎だからなのか、私の場合だけなのかはよくわかりませんが・・・)。食べたものが出てしまった後鼻をキレイにすすぐのは難しいので、においが取れなかったり、まだ何かが鼻の中に残っている感じがしてゲンナリします。
そんなことが起こらないようにするには以下の3つの方法があります。
・食べ物を工夫する
脂っこいもの、アルコール、辛い物は避けたほうがいいです。でも、一生食べないということはつらいので、食べたいときは少量にするとか、一緒に野菜をいっぱい食べるとかで調整するといいと思います。
・食べるときの行動を工夫する
早食いや食べ過ぎは避けましょう。
・食べた後の行動を工夫する
食べた後にすぐに横にならないこと。おなかを圧迫するような服や体制は避けること。
私は食べることが大好きで、いつもおなかがはちきれるくらい食べていました。でも病気になってからは胸やけがするし、食べ過ぎると気持ち悪くなったり、次第には戻すようになってしまってすごくつらい思いをしました。でも、好きなものが全く食べられないわけではないので、工夫しながらストレスを溜めない程度に調整していくといいと思います。
まとめ
今回は強皮症の代表的な症状に対して日頃気を付けていることを紹介しました。強皮症は、現状根治はできない疾患ですので、症状についても一生付き合っていかなければなりません。具合が悪くなったり、良くなったり波があるかもしれませんが、悲観的にならずに臨機応変に対応していきましょう。時がたつごとに症状を抑える便利グッズも増えています。みんなで情報共有し、支障なく日常生活を送れるように工夫していきましょう。
もしよかったら、コメント欄で便利グッズの紹介をいただけると幸いです。私も試してレビューしたいと思います!
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