「びまん皮膚硬化型全身性強皮症」では発症5~6年以内に皮膚硬化の進行および内臓病変が出現してきます
(全身性強皮症(指定難病51)ー難病情報センター)
と言われている強皮症ですが、私の場合ももれなく皮膚硬化の進行および内臓病変が出現してきました。詳しく知りたい方は前の投稿をご覧ください。
今回は6年後以降の経過についてご紹介します。
発症から7年~
7年目もこれまでと同様に以下の症状は見られました。
- 手荒れ、手の乾燥
- 手指の潰瘍
- 毛細血管拡張
- レイノー現象
- 息が上がりやすい
- 逆流性食道炎
ただ、皮膚硬化は悪化していない気がします。体力も運動をしていた頃から比べると落ちていますが、日常生活を送る上では支障はありませんでした。
以下、参考に発症から6年間のチャートを掲載します。

痛い・・・!
ところがある日、左の股関節がピキィーと痛むことがありました。最初はどこかでひねったかなと思っていましたが、次第に痛くなることが多くなってきました。
座っているところから立つとき、歩き出すとき、立っているところから座るときに痛くなります。しばらくその姿勢で待っていると痛みがマシになるので、動くことができるという感じでした。どんどん痛みが増していって、痛む回数も増えてきたので診察を受けることにしました。
その時は大学生でした。通っている大学に付属の病院がありましたのでその病院の整形外科に行くことにしました。レントゲンを撮って診察してもらうと、「特発性大腿骨頭壊死症」と診断されました。
残念ながら「特発性大腿骨頭壊死症」も指定難病の一つでした。発症の原因は未だ解明されておりませんが、危険因子として以下が挙げられているということでした。
- ステロイド
- アルコール
- 喫煙
私の場合、上記で当てはまるのはステロイドの投与なので、ステロイドが因子となって発症したと考えています。
治療法としては保存療法か手術療法があります。その時は痛み止めの薬をもらい、のちに手術することになりました。
股関節の手術
「大腿骨頭壊死症」を発症したのは左の股関節でした。まだ自分の骨を温存することができると判断され、骨切り術という術式がとられました。骨切り術をした患者は手術後およそ3か月間入院となり、リハビリを経て退院となります。退院時には片方の松葉杖を使用していました。その後日常生活を送っていく中で衰えた足の筋肉をつけていき、片松葉杖→T字杖→杖なしと経過していきます。
「大腿骨頭壊死症」は手術をすれば比較的症状は安定して、走ることができるようになる人もいらっしゃると聞きました。ただ、今回は自分の骨を温存しているのでまた壊死した部分ができてその部分に負荷がかかると骨が押しつぶされて同じ症状が出てしまいます。それについては注意が必要ですとのことでした。
この痛みは・・・!
そこから2年くらいたったある日、またあの痛みが襲ってきました。右の股関節です。しかも、じわじわではなく急にです。経過観察でまだ整形外科に通っていたので右の股関節もレントゲンを撮って診察してもらいました。やはり、「特発性大腿骨頭壊死症」でした。
実は、強皮症7年目で左の大腿骨頭壊死症と診断されたとき、右の股関節もレントゲンを撮っていました。その時は異変はありませんでしたが、2~3年の間に悪化してしまったようです。ステロイドも飲み続けていましたし、左の股関節を手術したので右側に負担がかかっていたのかもしれません。
今回も左側と同じく骨切り術となりました。実は骨切り術にも2種類あるらしく、左側とは異なるもう一方の術式だったようです。また3か月入院となりました。
ガントチャート
強皮症発症から7年目で左の股関節、9年目に右の股関節の「大腿骨頭壊死症」を発症しました。ここまでの症状を下記のガントチャートにまとめます。

まとめ
およそ7~9年の経過を紹介しました。強皮症の症状は服薬のおかげが悪化はせず安定してきていましたが、服用している薬の副作用とみられる病気を発症してしまうことになりました。
「特発性大腿骨頭壊死症」の発症にはステロイドが危険因子となるというお話を聞いたとき、飲まなきゃよかったと大変後悔しました。飲み始めたときは高校生で、本当に自分で考えた上での決断だったのか自信がなかったからです。
当時は、
出るのか出ないのかわからない副作用におびえて、今治せる病気を治さないなんて馬鹿らしい
とか思っていた気がするし、医師の話を鵜呑みにして自分で調べたりしなかった気がするからです。
今では「大腿骨頭壊死症」を発症してしまったことを受け入れていますが、戻れるのであれば高校生のあのときに戻って、自分の納得のいく決断をしたいと思っています。皆様も後悔しないために、医師のの言うことを鵜呑みにせず、疑問に思ったことは放置しないで、自分の人生なので自分が納得してから決断するようにしてください。
どんな病気も個人差がでると思います。たくさんの事例を経てだいたい症状や程度の範囲がわかってきます。ただ、指定難病や希少疾患はその事例が多くないので予測がつきづらいです。医療従事者でない方が事例を知らべるのはまだ難しいかもしれませんが、このブログが一助になればと願っています。
コメント