潰瘍(かいよう)とは
潰瘍(かいよう)とはどういう意味でしょうか?普段聞かない言葉ですよね。
潰瘍とは、
皮膚や粘膜や眼球(角膜や結膜)などを覆う上皮組織、すなわち被覆上皮が欠損しその下層の組織に至った状態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
のことを言います。
簡単にいうと、皮膚や粘膜の表面が炎症を起こして崩れ、深くえぐれた状態のことです。
医療の現場では、えぐれの深さによって名称が変わりますが、総称して潰瘍と言われることもあるそうです。
処方されている薬
潰瘍の治療のために処方されている薬をご紹介します。
注)筆者は薬剤師資格保持者のため医療関係者向けのサイトから情報を取得しております。
商品名:フィブラストスプレー500
一般名:トラフェルミン(遺伝子組み換え)噴霧剤
効能又は効果:褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)
用法及び用量:添付溶解液1mL当たりトラフェルミン(遺伝子組換え)として100μgを用時溶解し、潰瘍面を清拭後、本剤専用の噴霧器を用い、1日1回、潰瘍の最大径が6cm以内の場合は、潰瘍面から約5cm離して5噴霧(トラフェルミン(遺伝子組換え)として30μg)する。潰瘍の最大径が6cmを超える場合は、薬剤が同一潰瘍面に5噴霧されるよう、潰瘍面から約5cm離して同様の操作を繰り返す。
先発品のみ
添付文書より抜粋
瓶に入った粉と溶解液が別々になっていて、使用開始するときに自分で溶解するという特徴を持った外用薬です。溶かしたあとは凍結を避けて10℃以下の冷暗所(冷蔵庫など)に入れて保存し、2週間以内に使用することも注意点です。
噴霧後軟膏を塗る場合は、噴霧後30秒間静置してください。
商品名:ゲーベンクリーム1%
一般名:スルファジアジン銀クリーム
効能又は効果:外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染
用法及び用量:1日1回、滅菌手袋などを用いて、創面を覆うに必要かつ十分な厚さ(約2~3mm)に直接塗布する。
又は、ガーゼ等に同様の厚さにのばし、貼付し、包帯を行う。なお、第2日目以後の塗布に際しては、前日に塗布した本剤を清拭又は温水浴等で洗い落としたのち、新たに本剤を塗布すること。
先発品のみ
添付文書より抜粋
こちらは銀成分が配合されているクリームです。塗った後時間が経過してくると銀成分のせいなのかクリームが黒く変色してきます。クリームが付着した爪も茶~黒色に変色します。
商品名:ペパリン類似物質油性クリーム0.3%「日医工」
一般名:ヘパリン類似物質油性クリーム
効能又は効果:皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、血栓性静脈炎(痔核を含む)、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)
用法及び用量:通常、1日1〜数回適量を患部に塗擦又はガーゼ等にのばして貼付する。
投与部位:
1.潰瘍、びらん面への直接塗擦を避けること。
2.眼には使用しないこと。
ジェネリック医薬品
添付文書より抜粋
「潰瘍、びらん面への直接塗擦を避けること」となっております。塗擦(トサツ)とは、「塗りつけて、すり込むこと」(コトバンク)です。潰瘍に直接すり込むことはありませんが、なるべく潰瘍面に触れないように、皮膚の上に置くようにしております。
薬以外に使用しているもの
潰瘍を治療するためには外用薬(塗り薬やスプレーなど)を使用しますが、外用薬を使用した後に覆っておくガーゼやテープも必要です。これが結構重要だったりするのでご紹介します。
医療用医薬品は医師による選択になりますので自身で選択できませんが、それ以外は自分で選べますので快適なものを選びましょう!参考にしてください。
商品名:リント布
販売元:白十字
Point:乾きづらいし、厚みがいい!
商品名:スキナゲート® 肌にやさしいばんそうこう
販売元:ニチバン
サイズ:12mm×7m×1巻
Point:かぶれないし、はがれにくい!
そのほかは特にこだわりはありません。お好きなものをご使用ください。
c. 綿棒
d. ティッシュ
e. ハンドソープ
f. 水道水
潰瘍の処置方法
私が実際に行っている処置の方法をご紹介します。これが正解というわけではなくその人によって最適な方法があるので、1例としてお読みください。
- 患部を水道水(f)で洗った後ハンドソープ(e)で優しく患部を洗います。
実際には前日に処置した薬が患部に残っているので綿棒(c)で取り除いています。また、患部を冷やさないために水道水はお湯にして使っています!
ハンドソープは泡で出てくるものを使用して優しくやさしく洗っています。 - ティッシュで水をふき取り、フィブラストスプレー(①)を噴霧します。
潰瘍面から約5cm離して5噴霧します。 - 30秒後、ヘパリン類似物質油性クリーム(③)を潰瘍と正常な皮膚との境目に塗ります。
正常な皮膚にゲーベンクリーム(②)が触れると痛くなる気がするのでヘパリン類似物質油性クリームでガードしているイメージです。厚めに置くようなイメージです。 - 潰瘍部分にゲーベンクリーム(②)を塗ります。
1日中乾かないようにこちらも厚めに塗っていきます。 - リント布(a)で覆い、肌にやさしいばんそうこう(b)で固定します。
ガーゼで覆うことが一般的かもしれませんが、ガーゼだと通気性が良すぎて乾いて痛くなったりガーゼが張り付いてしまってはがすときに痛い思いをしたりしました。今回初めてリント布(a)を使用してみましたが、翌日の交換時までに乾きませんし、浸出液が浸み出してくることもありませんでした。おすすめです!
これまではガーゼを固定するテープも悩みの種でした。肌が強いほうではないし、毎日同じ場所にテープを貼っているとやはり荒れてしまい痛みが出てきます。肌にやさしいばんそうこう(b)も今回初めて使用しましたが、半年以上、毎日使用していますが全く痛みは出てきていません。これも断然おすすめです!
まとめ
今回は、私の場合の潰瘍の処置方法をご紹介しました。処方されている薬は同じでも、ガーゼやテープなどの薬以外のもので快適さは変わってきますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。
筆者は薬剤師免許を持っており、医療用医薬品の情報は医療関係者向けの情報を取得して記載しております。
なお、医療用医薬品をご自身の判断で使用することや使用を中止することは大変危険な行為ですので、疑問や質問がある場合は必ずかかりつけの医師や薬剤師にご相談ください。